みやこ町には、別荘でも賃貸募集中でもない「その他空き家」が1,460戸あります。相続したまま使われていない家です。福岡県内では24番目の多さになります。
空き家率は19.2%で、47市町村のうち11番目に高い町です。うきは市と同率で、県の中央値13.6%の1.4倍にあたります。
みやこ町は、要綱に答えが書いてある町です
相続した空き家の解体補助を調べていて、いちばん困るのが「耐震化の枠の制度に、相続した空き家が入るのかどうか」です。この枠は本来「住んでいる家を耐震化する」ための制度なので、「現に居住していること」という条件が付いていることがあります。
実際、田川市はこの条件のため、相続した空き家には使えませんでした。春日市は要綱だけを読むと使えないように見え、チラシの括弧書きでようやく分かりました。筑紫野市にいたっては、必要書類の一覧表を見るまで判断できませんでした。
みやこ町は、要綱の本文だけで答えが出ます。
補助の対象になる住宅の条件(要綱 第4条第4号)
現に居住者がいるもの。ただし、建替え等に伴う補助対象住宅の除却工事においては、この限りでない。 みやこ町木造戸建て住宅性能向上改修補助金交付要綱 第4条第4号
「建替え等」の定義(要綱 第2条第4号)
ア 建替え及び住替え 自らが居住するため、地震に対する安全性が確保された住宅を建築、賃借等により確保することをいう。
イ 空き家の相続 空き家を相続又は遺贈により取得したことをいう。
ウ 移住者による空き家の購入 自らが居住する住宅を新築するため、空き家を購入することをいう。
同 第2条第4号
「自らが居住するため」という言葉は、アの中だけに書かれています。 イの「空き家の相続」にはかかりません。そして第4条第4号のただし書きで、 除却工事なら居住者がいなくてもよいと明記されています。 ほかの資料を探しにいく必要がありません。
もうひとつ、みやこ町には珍しい設計があります。空き家バンクの成約奨励金が、貸したときのほうが高いのです。
出典:みやこ町「みやこ町空き家成約奨励金の交付について」(ページ更新日2024年5月29日・2026年9月25日確認)
みやこ町で先に知っておくこと
- ★★相続した空き家に使えることが、要綱に書いてあります
第4条第4号のただし書きで「除却工事においては、この限りでない」と居住者要件を外しています。チラシや別表を探す必要がありません。 - ★期限は「相続した年の4年後の3月まで」です
要綱は「相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の翌年3月まで」としています。展開すると相続した年だけで決まります。 - ★壊すのに、耐震改修の見積書が要ります
補助額は耐震改修費と除却費の低いほうに23%を掛けるので、「この家を耐震改修したらいくらか」という見積書を作る必要があります。 - ★直すほうが手厚い制度です
耐震改修は40%・上限45万円。除却の23%・上限30万円より大きい設計です。 - ★貸すと10万円、売ると5万円
空き家バンクの成約奨励金は賃貸借・使用貸借のほうが倍です。ただし3親等以内の親族との契約は対象外です。
対象は昭和56年5月31日以前に建築・工事着工した2階建て以下の木造一戸建てです。建築士による耐震診断で上部構造評点が1.0未満であることが前提になります。申請前に契約・工事着手すると対象外です。
まず、4つのうちどれに当てはまるか
相続した家について決めることは、結局4つしかありません。国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、相続で空き家を取得した人の選択はこうなっています。
| 選択 | 割合 | みやこ町の場合 |
|---|---|---|
| そのまま所有 | 32.7% | 管理の受け皿は町のページで確認できませんでした |
| 売る | 21.7% | 空き家バンクの成約奨励金5万円 |
| 壊す | 15.3% | ★23%・上限30万円。相続した空き家に使えると要綱に明記 |
| 貸す・活用 | 4.6% | ★成約奨励金10万円。売るより倍です |
出典:国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査
① 売る
★その前に、貸す選択を一度考えてください
みやこ町の成約奨励金は、売買契約なら5万円、賃貸借または使用貸借なら10万円です。当サイトで調べた23市町村のなかで、貸すほうが高く設定されていた町村はありませんでした。
| 売買契約 | 5万円 |
| 賃貸借契約または使用貸借契約 | 10万円 |
| 回数 | 1物件につき1回限り |
| 対象者 | 自らが所有する空き家をみやこ町空き家バンクに登録し、移住希望者または町内在住者と契約を行った所有者 |
| 対象外 | 3親等以内の親族との契約 |
| 必要書類 | 交付申請書(様式第1号)/誓約書(様式第2号)/契約書の写し 請求時は交付請求書(様式第4号) |
| 窓口 | 行政経営課 0930-32-2511 |
出典:みやこ町「みやこ町空き家成約奨励金の交付について」(ページ更新日2024年5月29日・2026年9月25日確認)
使用貸借も対象に入っているのが特徴です。使用貸借は、家賃を取らずに貸すことをいいます。「売れそうにないが、誰かに使ってもらえるなら」という場合でも10万円が出るという読み方ができます。申請の期限は書かれていませんので、条件に当てはまりそうなら行政経営課に確認してください。
売り方は2つあります。物件の状態で選び方が変わります
仲介は不動産会社に買い手を探してもらう方法です。相場に近い値段になりますが、買い手が見つかるまで時間がかかります。買取は業者に直接売る方法です。値段は下がりますが、買い手を探す必要がないので早く終わります。
みやこ町の空き家率19.2%は県内で11番目に高く、中央値の1.4倍です。待てば売れる、という前提では考えないほうがいい水準です。まず値段がつくかどうかを知ったうえで、売る・貸す・壊すを比べてください。
空き家・中古戸建て買取専門【ラクウル】
空き家と中古戸建てを専門に買い取っている業者です。仲介と違って買主を探す必要がないため、値が付けば話が早く進みます。傷みが進んでいる家や、遠方で管理が難しい家も対象です。査定の申し込みは無料で、日本全国に対応しています。
※査定を申し込んでも売却が確定するものではありません。金額に納得できなければ断れます。
3,000万円の控除について
相続した家を売るときは空き家の3,000万円特別控除が使えることがあります。この制度を使うには、市区町村が出す被相続人居住用家屋等確認書が必要です。
| 控除額 | 譲渡所得の金額から3,000万円を特別控除 |
| 期限(両方を満たすこと) | 相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで かつ令和9年(2027年)12月31日まで |
| 対象 | 相続開始の直前まで被相続人が家屋に居住していたこと |
| 必要な書類 | 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村が交付) |
みやこ町の公式サイトを確認した範囲では、この確認書についての案内が見当たりませんでした。制度が使えないという意味ではなく、窓口の案内がページに出ていないということです。どの課が出すのかを総務課(0930-32-2511)に聞くところから始めてください。実際に控除が使えるかどうかの判断は、税務署か税理士にご確認ください。
相談しやすい税理士を探すなら【税理士ドットコム】
税理士を無料で紹介してもらえるサービスです。3,000万円の控除が自分の場合に使えるか、売ったときにいくら税金がかかるかを相談できます。相続税の申告についても相談できます。運営は弁護士ドットコム株式会社で、全国47都道府県に対応しています。
※紹介を受けても契約が確定するものではありません。費用を聞くだけの相談もできます。
売る前に確認すること:相続登記が済んでいますか
名義が親のままだと、売ることができません。相続登記は2024年4月から申請が義務になりました。それより前に相続した不動産も対象で、令和9年(2027年)3月31日が期限です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料があります。
みやこ町の解体補助でも、申請時に登記事項証明書または所有者等が分かる書類が必要です。
相続した不動産の売却なら【ラクウル】
相続した不動産の買取を専門にしている業者です。相続調査、遺産分割協議書の作成、各種手続きまで含めて相談できます。登記が済んでいない、相続人が複数いて話がまとまらない——そうした段階からでも相談できる窓口です。相談は無料です。
※相談しても売却が確定するものではありません。手続きだけ相談することもできます。
② 壊す(みやこ町の解体補助金)
みやこ町木造戸建て住宅性能向上改修補助金(建替え等に伴う除却工事)
名前が長いので先に整理します。これは「老朽危険家屋の解体補助」ではなく、耐震化を進めるための制度です。耐震改修・省エネ改修とセットになった補助金のうち、「建替え等に伴う除却工事」のメニューが解体に使えます。
| 工事区分 | 補助対象経費 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 性能向上改修工事 | 耐震改修工事に要する経費 | 40% | 45万円 |
| 性能向上改修工事 | 省エネ改修工事に要する経費 | 25% | 15万円 |
| 建替え等に伴う除却工事 | 耐震改修工事に要する経費と除却工事に要する経費のいずれか低い方 | 23% | 30万円 |
出典:みやこ町「みやこ町木造戸建て住宅性能向上改修補助金交付要綱」第7条(2026年9月25日確認)。1,000円未満の端数は切り捨てです
| 対象の住宅 | 町内にあり、昭和56年5月31日以前に建築し工事着工したもの 同年6月1日以後に増築等を行ったものを含みます 過去にこの補助金の交付を受けたことがないもの |
| 木造戸建て住宅とは | 在来軸組構法、伝統的構法、枠組み壁工法(ツーバイフォー工法)の2階建て以下の木造一戸建て 店舗等を兼ねるものは、その部分が建物全体の2分の1未満なら含みます |
| ★居住者の要件 | 現に居住者がいること。ただし、建替え等に伴う除却工事においてはこの限りでない |
| ★相続の場合の期限 | 相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の翌年3月までに工事が完了すること |
| 耐震診断 | 日本建築防災協会の一般診断法に基づき、建築士が実施。上部構造評点が1.0未満であること |
| 申請できる人 | 町に現存する木造戸建て住宅の所有者または居住者 過去にこの補助金の交付を受けたことがない 町に対する支払の義務がある案件全てに滞納がない世帯に属すること |
| ★順序 | 施工事業者と契約を締結する前に町長と協議(要綱第8条) 申請前に契約・工事着手すると対象外 |
| 必要書類 | 交付申請書(様式第1号)/登記事項証明書または所有者等が分かる書類/検査済証の写しまたは建築年月日が分かる書類/耐震診断結果報告書/耐震補強計画書および耐震改修工事費概算見積書/町への支払義務に滞納がない証明書 |
| 実績報告 | 工事完了後速やかに 具体的な日数の定めは書かれていません |
| 申請期間・予算 | 記載がありません |
| 窓口 | みやこ町役場 総務課 0930-32-2511 メール soumu@town.miyako.lg.jp |
出典:みやこ町「みやこ町木造戸建て住宅性能向上改修・除却工事補助事業」(ページ更新日2026年2月17日)および交付要綱(2026年9月25日確認)
★壊すのに、耐震改修の見積書が必要です
計算の仕方が独特です。補助額は「耐震改修工事に要する経費」と「除却工事に要する経費」のいずれか低い方に23%を掛けます。
つまり、壊すための補助なのに「この家を耐震改修したらいくらかかるか」を出す必要があります。必要書類にも「耐震補強計画書および耐震改修工事費概算見積書」が入っています。
- 除却費150万円・耐震改修費300万円 → 低いほうは除却費150万円 → 23%で34万5,000円 → 上限の30万円
- 除却費150万円・耐震改修費80万円 → 低いほうは耐震改修費80万円 → 23%で18万4,000円
耐震改修が安く済む家ほど、解体の補助額は下がる仕組みです。この制度が「耐震化を進めるため」のものだと考えると筋は通ります。筑紫野市や春日市も同じ方式ですが、みやこ町は必要書類として明記されているぶん、事前の準備がはっきりしています。
★その耐震診断は、6,000円で受けられます
「耐震診断」と聞くと高くつきそうですが、福岡県が診断する建築士を派遣する制度があります。運営は一般財団法人 福岡県建築住宅センターです。
| 調査メニュー | 内容 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 耐震診断 | 床下・小屋裏に進入して調査し、目視で壁の仕様等を確認のうえ診断します。進入調査には点検口の開放が必要です。 ★希望に応じて「耐震改修計画(案)」や「工事費概算見積書」を作成できます | 6,000円 |
| 簡易耐震診断 | 床下・小屋裏に進入せず、通常見える範囲で調査します。 ★耐震改修計画(案)・工事費概算見積書は作成できません 図面がない、図面と現地が合っていない場合は、実際より耐力が低く計算される可能性があります | 3,000円 |
出典:福岡県「木造戸建て住宅を対象とする耐震化促進の取組み」(ページID 0793526・ページ更新日2026年7月22日)および一般財団法人 福岡県建築住宅センター「耐震診断アドバイザー」(いずれも2026年9月25日確認)
みやこ町の補助は「耐震改修費と除却費の低いほう」で決まるので、耐震改修の見積書が必要です。上の表のとおり、6,000円の耐震診断なら、その概算見積書も作ってもらえます。ただし県は「今後、耐震改修工事の実施について検討いただくための参考資料(目安)」と書いており、これがそのまま町の申請書類になるとは限りません。使えるかどうかは、契約の前に総務課(0930-32-2511)と協議するときに確認してください。
対象は、福岡県内にある昭和56年5月以前に建築された平屋または2階建ての木造戸建て住宅です。プレハブ工法、木造以外(鉄骨造・コンクリート造)、木造と併用した混構造、スキップフロア(中2階)のある住宅、共同住宅や長屋、店舗面積が大きい店舗付き住宅は対象外です。利用は同一住宅につき原則1回限りで、申し込みはWEBフォームまたは書面で行います。
申込先は生涯あんしん住宅(〒816-0804 春日市原町3丁目1番7号 クローバープラザ内)、092-582-8061、ansinju@fkjc.or.jp です。休館日は毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、第3日曜日、お盆、年末年始。なおこの耐震診断は、ふるさと納税の返礼品としても利用できます(「さとふる」または「ふるさとチョイス」から申し込み)。
★期限は「相続した年の4年後の3月まで」です
要綱の第6条に、こうあります。
第2号に規定する除却工事のうち空き家の相続を伴う場合においては、相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の翌年3月までに工事が完了するものに限る。
みやこ町木造戸建て住宅性能向上改修補助金交付要綱 第6条
読みにくいので展開します。相続した日が何年何月何日であっても、3年後の同じ月日が「3年を経過する日」です。その日が属する年の翌年——つまり相続した年の4年後。その3月までが期限になります。
| 相続した年 | 工事完了の期限 |
|---|---|
| 2022年以前 | 2026年3月まで すでに過ぎています |
| 2023年 | 2027年3月まで |
| 2024年 | 2028年3月まで |
| 2025年 | 2029年3月まで |
| 2026年 | 2030年3月まで |
要綱の文言を年で整理したものです。ご自身の場合の期限は総務課にご確認ください。「3月まで」が3月31日を指すかどうかまでは書かれていません。
同じ耐震化の枠でも、期限の切り方は町によって違います。春日市は「翌年の2月末日」、筑紫野市は「相続から3年以内に取得したもの」という別の書き方です。みやこ町は春日市より1ヶ月長いことになります。
いくらもらえるか計算する
補助金シミュレーター
上限額に達しています。
この金額がそのまま出るわけではありません。 補助を受けるには建築士の耐震診断で上部構造評点が1.0未満と出る必要があります。 対象は昭和56年5月31日以前に建築・工事着工した2階建て以下の木造一戸建てです。 相続した空き家の場合は相続した年の4年後の3月までに工事が完了することが条件です。 申請前に契約・工事着手すると対象外になります。 耐震改修の見積書は申請に必要な書類なので、いずれ作ることになります。
出典:町公式ページ(時点)
低いほうの額が約130万円で、上限の30万円に届きます。
この30万円は、県内でどのくらいか
福岡県で金額を確認できた55市町村と比べると
- 上限額 30万円 下から2番目の水準
- 30万円は20市町村あり、50万円(25市町村)に次いで2番目に多い金額です。ただし額としては下から2番目で、最も低いのは田川市の20万円、最も高いのは芦屋町・上毛町・東峰村の100万円。県内の中央値は50万円です。
- 補助率 23パーセント 県内で14市町村
- 県の耐震化の枠に合わせた市町村がこの率になります。2分の1が34市町村、3分の1が4市町村、筑紫野市だけが60パーセントです。
- ★23%・上限30万円 14市町村がまったく同じ数字
- 福岡市・春日市・太宰府市・古賀市・那珂川市・福津市・宇美町・篠栗町・志免町・須恵町・新宮町・粕屋町・川崎町、そしてみやこ町。(大刀洗町にも同じ制度がありますが、別に2分の1・上限75万円の制度があるため数えていません)金額でみやこ町を選ぶ理由はありません。
- ★相続した空き家に使える 14市町村のうち8市町村
- 同じ23%・30万円でも、古賀市・福津市・宇美町・須恵町・粕屋町・川崎町は相続した空き家に使えません。みやこ町は要綱の本文で使えると明記しています。
- ★耐震改修は40%・上限45万円 除却より手厚い
- 同じ要綱の中で、耐震改修は40%・上限45万円です。春日市の25%・30万円より大きく、直すほうに寄せた設計になっています。
金額は県内で下から2番目です。 みやこ町を調べる価値があるのは、相続した空き家に使えるかが要綱だけで分かることと、 貸したときの奨励金が売ったときの倍あることにあります。
見積もりはどう取るか
解体費用は建物の構造・広さ・前面道路の幅・隣家との距離で変わります。1社だけの見積もりでは、高いか安いか判断できません。複数社から取って比べてください。
みやこ町には市内業者に限る条件が書かれていません。ただし順番は守る必要があります。要綱は「施工事業者と契約を締結する前に町長と協議し、その内容について助言を受けるよう努めなければならない」としており、町のページにも「申請前に契約・工事着手された場合は補助対象となりません」とあります。
見積もりを取ること自体は問題ありません。申請には見積書が必要だからです。やってはいけないのは契約と着工です。
解体無料見積ガイド
解体業者の一括見積もりサイトです。建物の情報を入力すると、対応できる業者から見積もりが届きます。相場を知るためだけに使うこともできます。利用は無料です。
※みやこ町の補助を使う場合は、契約の前に町と協議してください。申請前に契約・工事着手すると対象外になります。
壊した後の更地をどうするか
建物を壊すと住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がります。売る見通しが立っていない状態で先に壊すと、税金だけが増えます。
みやこ町の場合、壊す前に「貸す」を一度考える価値があります。成約奨励金は賃貸借・使用貸借なら10万円で、解体補助の上限30万円との差はそれほど大きくありません。更地にしてしまうと、その選択肢はなくなります。更地の活用と売る場合の進め方もあわせてご覧ください。
③ 貸す・活用する
みやこ町では、ここがいちばん手厚い選択です。空き家バンクに登録して賃貸借または使用貸借の契約が成立すると、所有者に10万円が出ます。売買契約の5万円の倍です。
相手は移住希望者または町内在住者とされています。3親等以内の親族との契約は対象外なので、身内に貸す形では使えません。
もうひとつ、同じ要綱の中に耐震改修の補助(40%・上限45万円)があります。貸すために直す場合、こちらが使える可能性があります。ただし対象は「現に居住者がいるもの」で、除却工事のようなただし書きはありません。空き家のまま改修できるかどうかは、総務課(0930-32-2511)に確認してください。
空き家バンクの登録件数・成約件数は確認できませんでした。登録の条件についても、まず行政経営課(0930-32-2511)にお尋ねください。
④ 何もしない(いちばん多い選択)
相続で空き家を取得した人の32.7%が「空き家として所有しておく」と答えています。売る21.7%、壊す15.3%、貸す4.6%のどれよりも多い。決めていないのは、あなただけではありません。
ただしみやこ町の場合は、待つと解体補助が使えなくなります。相続の期限は相続した年の4年後の3月まで。2022年以前に相続した方は、すでに期限を過ぎています。
みやこ町の公式サイトを確認した範囲では、空き家の管理を頼める受け皿の案内は見当たりませんでした。県内には用意している市もあります。春日市はシルバー人材センターの管理サービスの料金を公開していて、敷地内の見回りが1回2,560円からです。みやこ町に同じ仕組みがあるかどうかは、総務課にご確認ください。持ち続ける場合にかかる費用と、放置したときのリスクは何もしない場合のページにまとめています。
止まっている理由は、だいたいこの5つです
| 理由 | 割合 | みやこ町で調べられること |
|---|---|---|
| 解体費用をかけたくない | 47.3% | 23%・上限30万円。相続した年の4年後の3月まで |
| さら地にしても使い道がない | 34.8% | ★貸せば10万円。更地にすると選べなくなります |
| 取り壊すと固定資産税が高くなる | 28.2% | 更地にする時期を売却・賃貸の見通しと合わせる |
| 家財などの処理が困難 | 21.6% | 粗大ごみは毎月1回。★建築廃材は出せません |
| どうすればよいか分からない | 13.8% | ★メールでも相談できます(soumu@town.miyako.lg.jp) |
出典:国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査(複数回答・全国)
一方で「物置として必要」55.8%、「将来自分や親族が使うかもしれない」25.1%、「仏壇など」21.6%は、情報で変わるものではありません。調べても答えが変わらない理由なら、それは「決めた」ということです。その場合でも相続登記だけは済ませておいてください。令和9年3月31日が期限です。
どれを選んでも必要になること:家財の片づけ
| 収集 | 毎月1回、決められた収集日に、決められた集積所へ 具体的な日程と場所は町のページに出ていません |
| ★出せないもの | 建築廃材(台所や居間の解体廃材、リフォームやDIYで出たもの) 建築資材(木材、石膏ボード、壁紙、塩ビ管等) |
| 手数料 | 町のページに記載がありません |
| 窓口 | 住民課 0930-32-2510 |
出典:みやこ町「粗大ごみの出し方について」(ページ更新日2025年12月3日・2026年9月25日確認)
「建築廃材は出せない」という点に注意してください。自分で物置を壊したり、内装をはがしたりして出たものは、粗大ごみとして扱ってもらえません。解体やリフォームで出るものは、工事をする業者に一緒に処分してもらう形になります。
手数料・申し込み方法・持ち込みの可否は町のページに書かれていません。まとまった量が出る場合は、先に住民課(0930-32-2510)に確認してください。
捨てる前に、売れるものがないか確認する
「捨てる量を減らす」ことが、そのまま費用に効きます。着物、古い家具、食器、切手、古銭、カメラ、レコード、仏具。買い手が付くものは、処分費用がかからないうえに現金になります。出張査定に来てもらえる業者もあるので、家財を運び出す前に一度確認してみてください。
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みやこ町の空き家の現状
| 総住宅数 | 9,340戸 |
| その他空き家 | 1,460戸(県内24位) |
| 空き家率 | 19.2%(47市町村中11番目に高い/うきは市と同率) |
出典:総務省 令和5年住宅・土地統計調査
総住宅数9,340戸に対して「その他空き家」が1,460戸。およそ6軒に1軒です。県の中央値13.6%の1.4倍で、豊前市19.4%のすぐ下にあたります。
この規模の町が、要綱の本文で相続した空き家を対象と明記し、貸したときの奨励金を売ったときの倍にしている——「人に渡して使ってもらう」ほうへ寄せた設計に見えます。1,460世帯が同じことで迷っている計算になります。
よくある質問
相続した空き家でも解体の補助は使えますか?
使えます。要綱の本文にそう書かれています。第4条第4号は補助対象住宅の条件として「現に居住者がいるもの。ただし、建替え等に伴う補助対象住宅の除却工事においては、この限りでない」としています。そして第2条第4号は「建替え等」に「空き家の相続 空き家を相続又は遺贈により取得したこと」を含めています。「自らが居住するため」という言葉は、建替え及び住替え(ア)の中だけに書かれており、相続(イ)にはかかりません。同じ耐震化の枠でも、田川市は「現に居住していること」が条件で相続した空き家では使えませんでした。町によって扱いが違います。
いつまでに工事を終わらせる必要がありますか?
相続した年の4年後の3月までです。要綱第6条は「空き家の相続を伴う場合においては、相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の翌年3月までに工事が完了するものに限る」としています。展開すると月日は関係なく、相続した年だけで決まります。2023年に相続した方は2027年3月まで、2024年なら2028年3月までです。2022年以前に相続した方は、すでに期限を過ぎています。なお「3月まで」が3月31日を指すかどうかまでは書かれていません。春日市は「翌年の2月末日」なので、みやこ町のほうが1ヶ月長いことになります。
補助額はどうやって決まりますか?
「耐震改修工事に要する経費」と「除却工事に要する経費」のいずれか低い方に23%を掛けます(1,000円未満切捨て)。上限は30万円です。たとえば除却費150万円・耐震改修費300万円なら、低いほうの150万円×23%=34万5,000円で上限の30万円。除却費150万円・耐震改修費80万円なら、低いほうの80万円×23%=18万4,000円になります。耐震改修が安く済む家ほど、解体の補助額は下がる仕組みです。上限の30万円に届くには、低いほうの額が約130万円必要です。
壊すのに耐震改修の見積書が要るのですか?
要ります。必要書類に「耐震補強計画書および耐震改修工事費概算見積書」が挙げられています。補助額が「耐震改修費と除却費の低いほう」で決まる以上、耐震改修したらいくらかかるかを出さないと計算できないためです。解体業者の見積もりだけでは足りません。あわせて建築士による耐震診断結果報告書も必要です。何をどの順番で用意するかは、契約の前に総務課(0930-32-2511)と協議してください。
契約してから申請してもいいですか?
対象外になります。町のページに「申請前に契約・工事着手された場合は補助対象となりません」と明記されています。要綱第8条も「施工事業者と契約を締結する前に当該工事について町長と必要な協議を行い、その内容について助言を受けるよう努めなければならない」としています。見積もりを取ることは問題ありません。申請に見積書が必要だからです。
町外の業者に頼んでもいいですか?
町内業者に限る条件は、町のページにも要綱にも書かれていませんでした。県内には市内・町内の業者に限る市町村が17ありますが、みやこ町はそこに入りません。ただし「書かれていない」ということなので、申請前に総務課(0930-32-2511)で確認してください。なお申請できるのは「町に現存する木造戸建て住宅の所有者または居住者」で、町に対する支払の義務がある案件全てに滞納がない世帯に属することが条件です。
売るのと貸すのとでは、どちらが得ですか?
成約奨励金だけを比べると、貸すほうが倍です。売買契約なら5万円、賃貸借契約または使用貸借契約なら10万円。当サイトで調べた23市町村のなかで、貸すほうが高く設定されていた町村はありませんでした。使用貸借も対象なので、家賃を取らずに誰かに使ってもらう形でも出ます。いずれも空き家バンクへの登録と、バンクを通じた成約が必要で、3親等以内の親族との契約は対象外です。1物件につき1回限り。窓口は行政経営課(0930-32-2511)です。
直して貸す場合、補助はありますか?
同じ要綱に耐震改修の補助(40%・上限45万円)があります。省エネ改修は25%・上限15万円で、省エネのみの工事は対象外です。ただしこちらの対象住宅は「現に居住者がいるもの」で、除却工事のようなただし書きがありません。空き家のまま改修に使えるかどうかは読み取れないので、総務課(0930-32-2511)に確認してください。なお耐震改修の40%は、春日市の25%より手厚い水準です。
家財の片づけはどうすればいいですか?
粗大ごみは毎月1回、決められた収集日に決められた集積所へ出します。ただし建築廃材(台所や居間の解体廃材、リフォームやDIYで出たもの)と建築資材(木材、石膏ボード、壁紙、塩ビ管等)は出せません。自分で壊した分は、工事をする業者に一緒に処分してもらう形になります。手数料・申し込み方法・清掃センターへの持ち込みの可否は、町のページに書かれていません。まとまった量が出る場合は、先に住民課(0930-32-2510)に確認してください。
相談先
解体の補助金は、契約より前に協議から
みやこ町役場 総務課
0930-32-2511要綱は「施工事業者と契約を締結する前に町長と必要な協議を行う」としています。耐震診断を受けてから、契約より前にご相談ください。メールでも相談できます(soumu@town.miyako.lg.jp)。空き家バンクと成約奨励金は行政経営課です。
| 用件 | 担当 |
|---|---|
| 解体補助の事前協議・申請 耐震改修・省エネ改修の補助 | 総務課 0930-32-2511 soumu@town.miyako.lg.jp |
| 空き家バンク/成約奨励金 | 行政経営課 0930-32-2511 |
| 粗大ごみ・家財の処分 | 住民課 0930-32-2510 |
| 県の無料相談 | イエカツ(福岡県空き家活用サポートセンター) 092-726-6210 |
4つの道を、もっと詳しく
ここまでみやこ町の制度を見てきました。制度は市ごとに違いますが、考え方の順番はどの市でも同じです。売るとき・壊すとき・貸すとき・そのままにするときに、何を先に確かめるかをまとめています。
ほかの市町村を調べる
実家がみやこ町以外にある場合は、そちらの市町村の制度を見てください。福岡県には60市町村があり、上限額は20万円から100万円まで5倍の開きがあります。補助率も23パーセントから3分の2まで幅があり、相続した空き家に使えるかどうかも市によって違います。隣の市と同じとは限りません。
ほかの市のページも公開しています。解体補助の上限は市によって違い、福岡県内では20万円から100万円まで5倍の開きがあります。実家とご兄弟の家が別の市にある場合は、両方を見比べてください。
同じ北九州の市町村
ほかの地域
制度の内容はみやこ町の公式ページと町が公開している交付要綱を2026年9月25日に確認して作成しています。補助金は年度ごとに条件が変わり、予算額に達した時点で受付を終了します。申請の前に必ず担当課でご確認ください。税や法律の取り扱いは個別の事情で変わります。実際の判断は町の担当課・税務署・専門家にご相談ください。

