鞍手町には、別荘でも賃貸募集中でもない「その他空き家」が1,060戸あります。相続したまま使われていない家です。
空き家率は21.7%で、福岡県内で4番目に高い町です。県の中央値13.6%の1.6倍。総住宅数7,850戸に対して1,060戸ですから、7軒か8軒に1軒という計算になります。
そして鞍手町には、解体の補助が2本あります。金額が大きいほうは、相続した実家には使えません。
先に結論:60万円と書いてあるほうは使えません
木造戸建て住宅性能向上改修補助金
(建替え等に伴う除却工事)
町の対象要件に「現に入居者がいること」があり、さらに除却については「現に居住している住宅の除却であること」と書かれています。二重に外れます。昭和56年5月31日以前・耐震診断の構造評点1.0未満も条件です。
担当 管財課 公共施設係 0949-42-2814
鞍手町老朽空家等解体撤去補助金
1/2以内 / 上限50万円対象は空家等対策特別措置法の「空家等」および長屋住宅。申請できるのは所有者または管理者で、「現に居住している」という条件はありません。相続して空いている実家も対象になります。
★ただし町のサイトに案内ページが見当たりません(下記)
出典:鞍手町「木造戸建て住宅の耐震改修工事を支援します」、鞍手町老朽空家等解体撤去補助金交付要綱(令和元年8月16日鞍手町告示第78号・最終改正 令和2年3月3日告示第17号)いずれも2026年9月25日確認
金額だけを並べたサイトでは、鞍手町は「上限60万円」と表示されます。県内では高いほうの数字です。ところがその60万円は、人が住んでいる家を建て替えるためのものです。相続して空いている実家に使えるのは、もう1本のほうの50万円になります。
★使えるほうは、町のホームページに案内ページが見当たりません
ここは正確に書きます。制度そのものは今も生きています。鞍手町の例規集で確認できます。
鞍手町の例規集(内容現在:令和8年6月30日)で確認できること
第12類 防災/第2章 災害対策
鞍手町老朽空家等解体撤去補助金交付要綱
(令和元年8月16日鞍手町告示第78号/最終改正 令和2年3月3日告示第17号)
「令和8年9月25日 時点で有効な例規」として表示されます。
鞍手町例規集(2026年9月25日に確認)
一方で、町のホームページには案内ページが見当たりませんでした。
検索で出てくるURLは開けず、住宅・土地の一覧にも、防災の一覧にも、目的別メニューにもありません。
制度が廃止されたという記載も見つかりませんでした。
ですので「今年度の受付があるかどうか」は、役場に電話して確かめてください。
要綱には「予算の範囲内において」とあり、受付期間の定めはありません。
鞍手町で先に知っておくこと
- ★★2本を足して110万円にはできません
要綱第5条2項に「他の制度による補助金等の交付を受けている場合は、当該補助金の額を補助対象経費から除く」とあります。 - ★★点数表が全文公開されています
評点の合計が100点以上であることが条件で、その配点表が要綱の別表として公開されています。県内で表まで出しているのは16市町村で、町は鞍手町と水巻町・福智町・広川町・大刀洗町・筑前町・遠賀町・桂川町・大木町・小竹町の10町です。 - ★町内の業者に限る条件はありません
建設業法の許可を受けた者、または建設リサイクル法の登録を受けた解体工事業者であれば足ります。 - ★代理人に委任できます
第7条2項に委任の規定があり、委任状の様式(様式第5号)もあります。遠方にお住まいなら、地元の身内に任せる形が取れます。 - ★完了報告に産業廃棄物の処分証明書が要ります
ほかの市町村の要綱ではあまり見かけない書類です。見積もりの段階で業者に伝えておいてください。
申請は解体工事に着手する前です。完了報告は完了の日から起算して30日を経過した日、または交付決定のあった年度の2月末日のいずれか早い日まで。同一敷地内および同一の世帯において、すでにこの補助金を受けている場合は対象になりません。
まず、4つのうちどれに当てはまるか
相続した家について決めることは、結局4つしかありません。国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、相続で空き家を取得した人の選択はこうなっています。
| 選択 | 割合 | 鞍手町の場合 |
|---|---|---|
| そのまま所有 | 32.7% | 空き家率21.7%は県内4位。町は空家実態調査を実施しています |
| 売る | 21.7% | ★空き家バンクの登録がオンラインでできます |
| 壊す | 15.3% | ★2本あるうち、使えるのは1/2・上限50万円のほう |
| 貸す・活用 | 4.6% | バンクは「貸したい」物件も登録できます |
出典:国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査
① 売る
★空き家バンクの登録が、役場に行かずにできます
鞍手町空家バンクは、空家の売却・賃貸を希望する所有者から物件の情報を町に登録してもらい、町公式ホームページ等で紹介する制度です。登録物件は小学校区別で公開されています。
| ★オンライン登録 | ふくおか電子申請サービスの「空家バンク物件登録申請フォーム」から申し込めます 買いたい・借りたい人向けの利用登録フォームも別にあります |
| 紙で出す場合 | 登録申込書(様式1)/登録カード(様式2)/身分を証明するものの写し(マイナンバーカード、運転免許証等) |
| 町は仲介しません | 町は情報の紹介や必要な連絡調整は行いますが、売却・賃貸に関する交渉・契約の仲介行為は行いません。契約後のトラブル等も当事者間で解決することになります |
| 窓口 | まちづくり課 まちづくり戦略係 0949-42-2033 |
出典:鞍手町「鞍手町空家バンクについて」(2026年9月25日確認)
遠方に住んでいる相続人にとって、オンラインで登録できるのは大きい違いです。多くの市町村は窓口持参か郵送です。ただし町は仲介をしません。買い手が現れたあとの交渉と契約は自分で進めることになります。→ 福岡県の空き家バンク一覧
売り方は2つあります。物件の状態で選び方が変わります
仲介は不動産会社に買い手を探してもらう方法です。相場に近い値段になりますが、買い手が見つかるまで時間がかかります。買取は業者に直接売る方法です。値段は下がりますが、買い手を探す必要がないので早く終わります。
鞍手町の空き家率21.7%は県内4位です。買い手を探す側から見れば、同じような物件が多いということになります。傷みが進んでいる家は、仲介では買主が現れないことがあります。町が仲介をしない以上、バンクに登録して待つだけでは動かないこともあります。
空き家・中古戸建て買取専門【ラクウル】
空き家と中古戸建てを専門に買い取っている業者です。仲介と違って買主を探す必要がないため、値が付けば話が早く進みます。傷みが進んでいる家や、遠方で管理が難しい家も対象です。査定の申し込みは無料で、日本全国に対応しています。
※こちらは広告です。鞍手町の空家バンクとは関係のない民間の業者です。査定を申し込んでも売却が確定するものではありません。
★★安く売るなら、3,000万円より「100万円のほう」かもしれません
相続した家を売るときの控除として広く知られているのは空き家の3,000万円特別控除です。鞍手町も制度の概要を説明していて、令和6年1月1日以降は譲渡後に耐震リフォームまたは取り壊された場合も対象になったことまで書いています。ただし「買主の協力が不可欠です」とも書かれています。
そして町のページには、この控除に必要な「被相続人居住用家屋等確認書」の交付手続きの案内がありません。国土交通省・国税庁のリンクと「税務署にお問い合わせください」という案内で終わっています。
一方で、鞍手町がはっきり「発行します」と書いている確認書が別にあります。
低未利用土地等の譲渡所得100万円控除
個人が低未利用土地等について要件を満たす譲渡を行った場合に、長期譲渡所得から100万円を控除することが出来ます。……町では、要件への該当の可否を確認し、「低未利用土地等確認書」を発行します。 鞍手町「低未利用土地等の譲渡所得特別控除に係る確認書の交付について」(2026年9月25日確認)
使えるのは、売値が安い土地です。 譲渡の対価の額の合計が500万円を超えないことが要件のひとつで、 令和5年1月1日以降に譲渡された土地が用途地域内にある場合は800万円まで。 ほかに都市計画区域内であること、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超えること、 配偶者など特別の関係がある者への譲渡でないことなどがあります。 適用期間は令和2年7月1日から令和10年12月31日まで (★令和8年度税制改正で3年延長されました。改正前は令和7年12月31日まででした)。
3,000万円の控除は、売値が高いほど効きます。100万円のほうは、売値が安いほど当てはまります。「二束三文にしかならないから」と手を付けずにいる実家こそ、こちらの対象になることがあります。申請書類のひとつに「空き地、空き家バンクへの登録が確認できる書類」が挙げられているのも、鞍手町のバンクと噛み合っています。
どちらが使えるか、そもそも使えるかは個別の事情で変わります。実際の判断は税務署か税理士にご確認ください。
相談しやすい税理士を探すなら【税理士ドットコム】
税理士を無料で紹介してもらえるサービスです。3,000万円の控除と100万円の控除のどちらが自分の場合に使えるか、売ったときにいくら税金がかかるかを相談できます。相続税の申告についても相談できます。運営は弁護士ドットコム株式会社で、全国47都道府県に対応しています。
※紹介を受けても契約が確定するものではありません。費用を聞くだけの相談もできます。
売る前に確認すること:相続登記が済んでいますか
名義が親のままだと、売ることができません。相続登記は2024年4月から申請が義務になりました。それより前に相続した不動産も対象で、令和9年(2027年)3月31日が期限です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料があります。
鞍手町の解体補助は、申請書類に「登記事項証明書または固定資産税課税台帳記載事項証明書」とあります。登記が済んでいなくても課税台帳の証明書で申請できる形ですが、売るときには登記が必要です。
相続した不動産の売却なら【ラクウル】
相続した不動産の買取を専門にしている業者です。相続調査、遺産分割協議書の作成、各種手続きまで含めて相談できます。登記が済んでいない、相続人が複数いて話がまとまらない——そうした段階からでも相談できる窓口です。相談は無料です。
※相談しても売却が確定するものではありません。手続きだけ相談することもできます。
② 壊す(鞍手町老朽空家等解体撤去補助金)
| 補助額 | 補助対象経費の2分の1以内とし、50万円を限度(第6条) 1,000円未満の端数は切り捨て |
| 対象になる費用 | 解体撤去業者による建築物の解体撤去に要した経費(第5条) |
| 対象になる建物 | 空家等対策特別措置法第2条第1項に規定する空家等および長屋住宅(各戸を含む)で、倒壊し、又は建築材等が落下・飛散することにより人の生命、身体又は財産に被害を及ぼすおそれのある状態(第2条1号) ★別表の評定項目の評点の合計が100点以上(第4条1号) 所有権以外の権利が設定されていないこと(権利者の承諾を得たものを除く) 国・地方公共団体・独立行政法人等が所有権を有していないこと 公共事業等による移転・建替え等の補償の対象となっていないこと |
| ★申請できる人 | 町内に現存する老朽危険空家等の所有者又は管理者(第2条2号) ★「現に居住している」という条件はありません 申請者および申請者と同一の世帯に属する者が町税等を滞納していないこと 同一敷地内および同一の世帯において、この補助金の交付を受けていないこと 暴力団員と密接な関係を有すると認められないこと |
| ★業者の条件 | 建設業法の許可を受けている者、または建設リサイクル法の登録を受けた解体工事業者に依頼すること ★町内の業者に限る条件はありません |
| ★★併用 | 第5条2項 他の制度による補助金等の交付を受けている場合は、当該補助金の額を補助対象経費から除く |
| ★順序 | 解体工事に着手する前に交付申請書(様式第1号)を提出(第7条) → 交付決定通知(様式第6号)→ 工事 → 完了報告 → 補助金額の確定 → 請求 |
| 完了報告の期限 | 完了の日から起算して30日を経過した日、または交付決定のあった年度の2月末日のいずれか早い日まで(第11条) |
| 申請書類 | 解体撤去実施計画書(様式第2号)/位置図/解体撤去経費の見積書の写し/現況写真/登記事項証明書または固定資産税課税台帳記載事項証明書/★個人情報の取扱いに関する同意書(様式第3号)/★立入調査承諾書(様式第4号)/その他町長が必要と認める書類 |
| ★委任 | 第7条2項 代理人に委任できます(委任状 様式第5号) |
| ★完了報告の添付 | 請求書または領収書の写し/解体撤去後の写真/★解体撤去に伴う産業廃棄物処理に関する処分証明書類の写し |
| 受付期間 | 要綱に定めはありません(予算の範囲内) ★町のサイトに案内ページが見当たらないため、必ず役場にご確認ください |
出典:鞍手町老朽空家等解体撤去補助金交付要綱(令和元年8月16日鞍手町告示第78号・最終改正 令和2年3月3日告示第17号)/鞍手町例規集 内容現在 令和8年6月30日・2026年9月25日確認
★★何点なら通るのか。表が公開されています
多くの市町村は「市が定める判定基準の点数が一定以上」としか書いていません。鞍手町は配点表を別表として公開しています。「100点以上」という基準を使う市町村はほかにもありますが、表そのものを出しているのは県内で16市町村だけです。
別表(第4条関係)老朽危険空家等不良度評定基準
合計が100点以上で対象になります。満点は185点です。
① 構造一般の程度最高45点
- 基礎 構造耐力上主要な部分である基礎が玉石であるもの 10点
- 基礎 構造耐力上主要な部分である基礎がないもの 20点
- 外壁 外壁の構造が粗悪なもの 25点
② 構造の腐朽又は破損の程度 ★ここが要最高100点
- 基礎・土台・柱又は梁 柱が傾斜、土台や柱が腐朽・破損等で小修理を要する 25点
- 基礎・土台・柱又は梁 不同沈下、柱の傾斜が著しい、梁の腐朽・破損等で大修理を要する 50点
- 基礎・土台・柱又は梁 腐朽・破損・変形が著しく崩壊の危険がある 100点
- 外壁 仕上材料の剥落・腐朽・破損により下地が露出 15点
- 外壁 著しく下地が露出、または壁体を貫通する穴 25点
- 屋根 屋根ぶき材料の一部に剥落やずれがあり、雨もりがある 15点
- 屋根 著しい剥落、軒の裏板・垂木等が腐朽、軒が垂れ下がった 25点
- 屋根 屋根が著しく変形した 50点
③ 防火上又は避難上の構造の程度最高30点
- 外壁 延焼の恐れがある外壁があるもの 10点
- 外壁 延焼の恐れがある外壁の壁面数が3以上 20点
- 屋根 屋根が可燃性材料でふかれているもの 10点
④ 排水施設最高10点
- 雨水 雨樋がないもの 10点
★この表から読めること。 ①③④を全部満たしても 45+30+10 で85点にしかならず、100点に届きません。 つまり②の「構造の腐朽又は破損」で点が付かないと、どうやっても通らないという配点です。 逆に②の「腐朽、破損又は変形が著しく崩壊の危険があるもの」が付けば、それだけで100点になります。 見た目の古さではなく、柱・土台・梁・屋根がどれだけ傷んでいるかで決まります。 ※これは公開されている配点から読めることで、町がこう説明しているわけではありません。 判定するのは町です。
いくらもらえるか計算する
補助金シミュレーター
上限額に達しています。
この金額がそのまま出るわけではありません。 ★これは「鞍手町老朽空家等解体撤去補助金」のほうです。 50%・上限60万円の耐震の制度は「現に居住している住宅の除却であること」が条件で、 相続して空いている実家には使えません。 ★別表の評点の合計が100点以上と判定される必要があります。 ★他の制度による補助金等を受けている場合は、その額が補助対象経費から除かれます。 解体工事に着手する前に申請してください。 完了報告は完了の日から起算して30日を経過した日、または交付決定のあった年度の2月末日のいずれか早い日までです。 ★町のホームページに案内ページが見当たらないため、今年度の受付があるかを必ず役場にご確認ください。
出典:鞍手町例規集(交付要綱)(時点)
解体費が100万円で、上限の50万円に届きます。「2分の1以内」と書かれているので、必ず半額が出ると決まっているわけではありません。
この50万円は、県内でどのくらいか
福岡県で金額を確認できた55市町村と比べると
- 上限額 50万円 県内でいちばん多い金額
- 50万円より高いのは12市町村だけです。50万円は25市町村あり、県内でいちばん多い金額になります。県内の中央値も50万円なので、ちょうど真ん中の水準です。
- 補助率 2分の1以内 県内でいちばん多い
- 34市町村がこの率です。23パーセントが14市町村、3分の1が4市町村、筑紫野市が60パーセント、糸田町が5分の4です。ただし鞍手町は「2分の1以内」という書き方で、必ず半分とは限りません。
- ★点数表の公開 県内で16市町村
- 基準だけでなく配点表まで公開しているのは、豊前市・中間市・糸島市・うきは市・大川市・大野城市と鞍手町です。町はここと水巻町・福智町・広川町・大刀洗町・筑前町・遠賀町・桂川町・大木町・小竹町の10町です。「100点以上」という基準を使う市町村はもっとありますが、表そのものを出している例は限られます。
- ★町内業者の指定 ありません
- 県内には市内・町内の業者に限る市町村が17あります。中間市や田川市がそうです。鞍手町の要綱には業者を町内に限る記載がありません。
- ★空き家率 21.7% 県内で4番目に高い
- 県の中央値13.6%の1.6倍です。同じ筑豊には川崎町や田川市もあり、地域としてまとまって高い水準にあります。
金額そのものは県内の真ん中です。 鞍手町で気にすべきなのは、2本あるうちのどちらの話をしているか、 ②の腐朽・破損で点が付くか、 そしていま受け付けているかを先に電話で確かめることの3つです。
見積もりはどう取るか
解体費用は建物の構造・広さ・前面道路の幅・隣家との距離で変わります。1社だけの見積もりでは、高いか安いか判断できません。複数社から取って比べてください。
鞍手町は業者を町内に限っていません。ただし建設業法の許可を受けている者、または建設リサイクル法の登録を受けた解体工事業者であることが要綱の条件です。もうひとつ、完了報告に「解体撤去に伴う産業廃棄物処理に関する処分証明書類の写し」が要ります。見積もりを頼む段階で、この書類を出してもらえるか確認しておいてください。
順番も守ってください。要綱は「当該解体工事に着手する前に」申請書を提出することとしています。見積もりを取ること自体は問題ありません。申請書類に見積書の写しが必要だからです。やってはいけないのは契約と着工です。
解体無料見積ガイド
解体業者の一括見積もりサイトです。建物の情報を入力すると、対応できる業者から見積もりが届きます。相場を知るためだけに使うこともできます。利用は無料です。
※こちらは広告です。鞍手町の補助を使う場合は、着手の前に申請してください。産業廃棄物の処分証明書類を出してもらえるかも確かめてください。
③ 貸す・活用する
鞍手町空家バンクは「貸したい」物件も登録できます。売ると決めていなくても、借り手を探す形で登録しておくことができます。登録はふくおか電子申請サービスからオンラインでできるので、遠方からでも手続きが進みます。
また、空家を利活用して開業する場合は「鞍手町店舗等リフォーム補助金」を利用できる場合があると町が案内しています。借り手が店舗として使う道もある、ということです。金額や条件は当サイトでは確認していません。まちづくり課(0949-42-2033)にお尋ねください。
④ 何もしない(いちばん多い選択)
相続で空き家を取得した人の32.7%が「空き家として所有しておく」と答えています。売る21.7%、壊す15.3%、貸す4.6%のどれよりも多い。決めていないのは、あなただけではありません。
ただし鞍手町の場合、そのままにしておくと点数が上がっていきます。さきほどの表をもう一度見てください。雨樋が落ちれば10点、屋根の一部が剥がれて雨もりが始まれば15点、柱が傾けば25点。補助を受けるための点数は、同時に建物が危険になっていく目盛りでもあります。
そして要綱の第2条は、対象になる空家等を「倒壊し、又はその建築材等が落下し、若しくは飛散することにより、人の生命、身体又は財産に被害を及ぼすおそれのある状態」と定義しています。点数が100点に届くということは、町がその状態だと認めたということです。
持ち続ける場合にかかる費用と、放置したときのリスクは何もしない場合のページにまとめています。なお、鞍手町の公式サイトを確認した範囲では、空き家の管理を頼める受け皿(シルバー人材センターとの協定など)の案内は見当たりませんでした。県内には用意している市もあります。春日市はシルバー人材センターの管理サービスの料金を公開していて、敷地内の見回りが1回2,560円からです。鞍手町に同じ仕組みがあるかどうかは、役場(0949-42-2111)にご確認ください。
止まっている理由は、だいたいこの5つです
| 理由 | 割合 | 鞍手町で調べられること |
|---|---|---|
| 解体費用をかけたくない | 47.3% | ★60万円ではなく、2分の1以内・上限50万円のほう |
| さら地にしても使い道がない | 34.8% | ★更地は低未利用土地の100万円控除の対象になることがあります |
| 取り壊すと固定資産税が高くなる | 28.2% | 建物を残す場合の点数は、放置するほど上がっていきます |
| 家財などの処理が困難 | 21.6% | ★臨時収集は2t車1台8,800円。自己搬入は10kgで84円 |
| どうすればよいか分からない | 13.8% | ★まず役場(0949-42-2111)に、今年度の受付があるか聞く |
出典:国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査(複数回答・全国)
一方で「物置として必要」55.8%、「将来自分や親族が使うかもしれない」25.1%、「仏壇など」21.6%は、情報で変わるものではありません。調べても答えが変わらない理由なら、それは「決めた」ということです。その場合でも相続登記だけは済ませておいてください。令和9年3月31日が期限です。
どれを選んでも必要になること:家財の片づけ
鞍手町は、一度の定期収集に出せる量が決まっています。
定期収集に出せるのは一度に5袋まで
鞍手町では一度の定期収集に出すことができる量が5袋または証紙5枚までと決まっています。それを超える量のごみを出す場合は、臨時収集制度、自己搬入制度をご利用ください。 鞍手町「家庭ごみの正しい出し方」(2026年9月25日確認)
実家をひと部屋片づければ、5袋はすぐに超えます。 つまり鞍手町で実家じまいをすると、ほぼ確実に下の2つのどちらかを使うことになります。
| ★臨時収集制度 | 町が委託している有限会社深草環境サービスへ直接連絡します 0949-42-0717 ★役場での予約は不要です 2t車1台分 8,800円(税込)/半台分 6,270円(税込) ★半台分以下でも半台分とみなされます |
| ★自己搬入制度 | 泉水最終処分場(鞍手町大字新延1296-8)に自分で持ち込みます ★搬入できるのは毎月第2・第4土曜日 9時〜16時だけ 10kgにつき証紙(84円)1枚換算 ★★証紙は処分場で販売していません。事前に購入して持ち込んでください |
| 自己搬入の申込 | 搬入週の木曜日まで(木曜が閉庁日なら水曜まで) ★鞍手町LINE公式アカウントからなら搬入週の火曜日23時59分まで LINEなら閉庁時間にも申し込めます。窓口・電話でも受け付けています |
| 搬入できないもの | 生ごみ/剪定枝・刈草/家電リサイクル法の対象機器 |
| 指定ごみ袋 | 可燃物袋 大740円・小582円(10枚につき・税込)/不燃物袋 大740円・小582円 証紙 5枚につき420円(1枚84円)/家電リサイクル製品収集運搬券 1枚1,575円 |
| 当日のキャンセル | 泉水最終処分場 0949-42-3961 |
| 窓口 | 住民環境課 環境係 0949-42-2114 |
出典:鞍手町「家庭ごみの正しい出し方」「一般廃棄物処理手数料(ごみ・し尿)」(2026年9月25日確認)
遠方から通って片づける場合、いちばん気をつけるのは「第2・第4土曜日しか持ち込めない」ことです。逆に言えば、平日に休みが取れない人には都合がいい制度です。ただし証紙を先に買っておかないと、当日その場では買えません。近くの販売店まで買い足しに行くことになります。
量が読めないときは、臨時収集のほうが早いこともあります。2t車1台で8,800円。役場を通さず深草環境サービス(0949-42-0717)に直接かけられます。
捨てる前に、売れるものがないか確認する
「捨てる量を減らす」ことが、そのまま費用に効きます。持ち込みが10kgで84円ということは、重いものほど費用になるということです。着物、古い家具、食器、切手、古銭、カメラ、レコード、仏具。買い手が付くものは、処分費用がかからないうえに現金になります。出張査定に来てもらえる業者もあるので、家財を運び出す前に一度確認してみてください。
※このセクションには現在、掲載できる買取業者の広告がありません。★送客リンクの入れ場所(家財・遺品整理)
鞍手町の空き家の現状
| 総住宅数 | 7,850戸 |
| その他空き家 | 1,060戸(県内29位) |
| 空き家率 | 21.7%(県内で4番目に高い/中央値13.6%の1.6倍) |
出典:総務省 令和5年住宅・土地統計調査
総住宅数7,850戸に対して「その他空き家」が1,060戸。県内で4番目に空き家率の高い町です。戸数そのものは29位ですが、町の規模に対する割合が大きい。同じ筑豊の川崎町や田川市とあわせて、地域としてまとまって高い水準にあります。
1,060世帯が同じことで迷っている計算になります。町は令和元年から解体撤去の補助の要綱を持ち、平成28年に空家等対策協議会を、平成29年に空家対策流通促進協議会と空家等情報登録制度を作っています。仕組みは早くから用意されている町です。
よくある質問
結局、相続した実家にはどちらの補助が使えますか?
「鞍手町老朽空家等解体撤去補助金」のほうです。2分の1以内・上限50万円。こちらは対象を空家等対策特別措置法の「空家等」としていて、申請できるのは所有者又は管理者。「現に居住している」という条件がありません。
もう1本の50%・上限60万円のほう(木造戸建て住宅性能向上改修補助金)は使えません。町の対象要件に「現に入居者がいること」があり、さらに除却については「建替え等に伴う除却工事については、現に居住している住宅の除却であること」と書かれているためです。金額の大きさだけで判断すると間違えます。
2本とも申請して、合計110万円もらえませんか?
できません。要綱第5条2項に「当該老朽空家等に関し、他の制度による補助金等の交付を受けている場合は、当該補助金の額を補助対象経費から除くものとする」とあります。他の補助を受けた分は、そもそも計算の元になる経費から差し引かれる仕組みです。そして相続した実家では、そもそも60万円のほうが使えません。
町のホームページに解体補助のページが見当たりません。もう無いのですか?
「無くなった」とは確認できていません。当サイトが2026年9月25日に調べた範囲では、こうなっていました。
・町の例規集で「令和8年9月25日 時点で有効な例規」として表示される(内容現在:令和8年6月30日)
・第12類 防災/第2章 災害対策 に収録されている
・一方で、町のホームページには案内ページが見当たらない(住宅・土地の一覧、防災の一覧、目的別メニューのいずれにも無い)
・廃止されたという記載も見つからない
要綱には受付期間の定めがなく「予算の範囲内において」とあるだけです。ですので今年度の受付があるかどうかは、役場(0949-42-2111)に電話して確かめてください。当サイトの記載だけで判断しないでください。
うちの実家は、点数が足りるでしょうか?
判定するのは町ですが、鞍手町は配点表を公開しているので当たりは付けられます。基準は合計100点以上、満点は185点です。
配点を見ると、①構造一般(最高45点)・③防火避難(最高30点)・④排水施設(最高10点)を全部足しても85点で、100点に届きません。つまり②「構造の腐朽又は破損の程度」で点が付くことが避けられません。②では、柱や土台・梁が「小修理を要する」で25点、「大修理を要する」で50点、「腐朽、破損又は変形が著しく崩壊の危険があるもの」で100点。屋根が著しく変形していれば50点です。
築年数や見た目の古さではなく、構造がどれだけ傷んでいるかで決まる配点です。※これは公開されている表から読めることで、町がこう説明しているわけではありません。
遠方に住んでいます。手続きを誰かに任せられますか?
できます。要綱第7条2項に「申請者は、前項に規定する申請について代理人に委任することができる」とあり、委任状(様式第5号)の用意があります。
また空き家バンクの登録は「ふくおか電子申請サービス」からオンラインで申し込めます。役場に出向かずに済みます。
家財のほうは、自己搬入が毎月第2・第4土曜日にしか受け付けていないので、帰省の日程と合わせて考えてください。平日しか動けない場合は、臨時収集(深草環境サービス 0949-42-0717)に直接頼む方法もあります。
申請に必要な書類を教えてください
要綱第7条によると、交付申請書(様式第1号)に次を添えて提出します。
・老朽危険空家等解体撤去実施計画書(様式第2号)
・位置図
・解体撤去経費の見積書の写し
・現況写真
・登記事項証明書または固定資産税課税台帳記載事項証明書
・個人情報の取扱いに関する同意書(様式第3号)
・立入調査承諾書(様式第4号)
・その他町長が必要と認める書類
★完了報告(第11条)には、請求書または領収書の写し、解体撤去後の写真に加えて「解体撤去に伴う産業廃棄物処理に関する処分証明書類の写し」が要ります。これはほかの市町村の要綱ではあまり見かけない書類なので、見積もりを頼む段階で業者に伝えておいてください。
町外の解体業者に頼めますか?
頼めます。鞍手町の要綱は解体撤去業者を「建設業法の許可を受けている者、または建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)の登録を受けた解体工事業者」と定義しているだけで、町内に限る条件はありません。県内には市内・町内の業者に限る市町村が17ありますが、鞍手町はそこに入りません。複数社から見積もりを取って比べられます。
家財が大量に出ます。どうすればいいですか?
鞍手町は一度の定期収集に出せる量が5袋または証紙5枚までと決まっています。超える場合は2つの方法があります。
臨時収集は、町が委託している有限会社深草環境サービス(0949-42-0717)に直接連絡します。役場での予約は不要です。2t車1台分8,800円、半台分6,270円(いずれも税込)。半台分以下でも半台分とみなされます。
自己搬入は泉水最終処分場(鞍手町大字新延1296-8)へ。毎月第2・第4土曜日の9時から16時だけです。料金は10kgにつき証紙84円1枚換算で、証紙は処分場で販売していないので事前に購入して持ち込みます。申込は搬入週の木曜日まで、鞍手町LINE公式アカウントからなら火曜日23時59分まで受け付けています。生ごみ、剪定枝・刈草、家電リサイクル法の対象機器は搬入できません。
売るときに使える控除はありますか?
2つあります。売値によってどちらが当てはまるか変わります。
3,000万円特別控除は、相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が対象です。町も概要を説明していて、令和6年1月1日以降は譲渡後に耐震リフォームまたは取り壊された場合も対象になったと書いています(ただし「買主の協力が不可欠です」とも)。★町のページには、この控除に必要な「被相続人居住用家屋等確認書」の交付手続きの案内がありません。国土交通省・国税庁のページを見るか、税務署に問い合わせるよう案内されています。
低未利用土地等の100万円控除のほうは、町が「低未利用土地等確認書を発行します」と明記しています。都市計画区域内にあること、所有期間が5年を超えること、譲渡の対価の合計が500万円を超えないこと(用途地域内で令和5年1月1日以降の譲渡なら800万円)などが要件です。適用期間は令和10年12月31日まで(令和8年度税制改正で3年延長)。安く売るならこちらが現実的なことがあります。実際の判断は税務署か税理士にご確認ください。
相談先
まず、ここに「今年度の受付がありますか」と聞いてください
鞍手町役場(代表)
0949-42-2111老朽空家等解体撤去補助金は、要綱では今も有効ですが、町のホームページに案内ページが見当たりません。担当課も要綱には「町長」としか書かれていないため、当サイトでは断定しません。代表番号にかけて「老朽空家等解体撤去補助金の担当につないでください」とお伝えください。開庁時間は平日8時30分から17時15分です。
| 用件 | 担当 |
|---|---|
| 老朽空家等解体撤去補助金 | 鞍手町役場(代表) 0949-42-2111 ★要綱に担当課の記載がありません。代表からおつなぎください |
| 空き家バンク 低未利用土地の確認書ほか | まちづくり課 まちづくり戦略係 0949-42-2033 |
| 耐震の補助(50%・上限60万円) ※相続した空き家には使えません | 管財課 公共施設係 0949-42-2814 |
| 家財・ごみ | 住民環境課 環境係 0949-42-2114 |
| 臨時収集(2t車) | 有限会社深草環境サービス 0949-42-0717 ★役場を通さず直接 |
| 自己搬入・当日のキャンセル | 泉水最終処分場 0949-42-3961 |
| 県の無料相談 | イエカツ(福岡県空き家活用サポートセンター) 092-726-6210 |
4つの道を、もっと詳しく
ここまで鞍手町の制度を見てきました。制度は市ごとに違いますが、考え方の順番はどの市でも同じです。売るとき・壊すとき・貸すとき・そのままにするときに、何を先に確かめるかをまとめています。
ほかの市町村を調べる
実家が鞍手町以外にある場合は、そちらの市町村の制度を見てください。福岡県には60市町村があり、上限額は20万円から100万円まで5倍の開きがあります。補助率も23パーセントから3分の2まで幅があり、鞍手町のように「相続した空き家に使えるかどうか」で答えが変わる市町村もあります。隣の町と同じとは限りません。
ほかの市のページも公開しています。解体補助の上限は市によって違い、福岡県内では20万円から100万円まで5倍の開きがあります。実家とご兄弟の家が別の市にある場合は、両方を見比べてください。
同じ筑豊の市町村
ほかの地域
制度の内容は鞍手町の公式ページと町の例規集を2026年9月25日に確認して作成しています。老朽空家等解体撤去補助金については、要綱は有効であることを例規集で確認しましたが、町のホームページに案内ページが見当たりませんでした。今年度の受付があるかどうかは必ず役場でご確認ください。補助金は年度ごとに条件が変わり、予算額に達した時点で受付を終了することがあります。税や法律の取り扱いは個別の事情で変わります。実際の判断は町の担当課・税務署・専門家にご相談ください。

